枕飾り・枕経とは

大切な方が亡くなられお通夜までの間にご準備する「枕飾り(まくらかざり)」、そして僧侶様にお経(枕経:まくらぎょう)を読んで頂く「枕勤め」という儀式がございます。今回はこの枕飾り(仮祭壇)のお供え物や枕勤めの儀式についてご紹介いたします。


枕飾りとは


一般的に葬儀の際に設けられる祭壇は下記の3種類となります。
・枕飾り(仮祭壇)
・本祭壇
・後祭壇(後飾り)

この中で大切な方が亡くなってからお通夜前まで枕元に飾る祭壇が「枕飾り(仮祭壇)」となります。故人様の枕元に枕飯やお水、枕団子などお供え物を用意し故人様の魂がこの世にすがることなく成仏できるよう供養するための祭壇を設置します。訃報を聞き弔問に訪れた方々がお焼香を行うための祭壇としての役割もございます。


枕飾りに必要なもの


  • 枕飯
  • 白い茶碗や皿にご飯を通常山盛りに盛り付け、割り箸を2本垂直に立てます。枕飯は故人が次の世界へ旅立つ際に、飢えや渇きを感じないようにとの願いを込めて供えられます。これは、生前の食事を思い出させ、故人の魂が安らかに旅立てるようにするためです。

  • 枕団子
  • 亡くなった方の死出の旅路における食事としてお供えする団子を「枕団子」といいます。米粉や小麦粉また上新粉で作られます。団子は通常6個用意されます、これは六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)を象徴し、故人が迷わずに成仏できるようにという意味が込められています。

  • 香炉
  • 香炉、ろうそく立て、花瓶は「三具足(みつぐそく)」と呼ばれ、欠かせない道具です。

  • 線香
  • 通常は白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)などの香りが良いものが使われます。お香の煙が悪霊を追い払い、場所を浄化し、故人の魂を清めるとされています。香炉の火が消えないように管理することが大切で、火が絶えることは供養が途切れることを意味するため注意が必要です。

  • 線香
  • 故人様に礼拝する際に鳴らす鈴(りん)は、小さな座布団の上に、鈴棒(りんぼう)と一緒に配置します。鈴の音は、故人の魂が安らかに旅立てるように導く効果もあります。音の響きが魂を慰め、安心させると言われています。

  • 燭台
  • 白いろうそく立てに、白いろうそくを立てたものを2つ用意します。燭台に灯されたろうそくの火は、故人の魂が迷わずに次の世界へ旅立つための道を照らす役割を果たします。ろうそくの火が消えないように定期的に確認し、必要に応じて新しいろうそくに取り替えます。

  • お水(枕水)
  • 枕水は故人が旅立つ前に口を潤し、安らかに旅立てるようにという願いが込められています。これは、故人が渇きを感じずに次の世界へ旅立てるようにとの思いを表しています。

  • 花瓶
  • 白色無地の花瓶に、樒を1対備えます。樒がない場合は菊や百合などの白い花を供えます。これは清浄や純粋さを象徴しています。

  • 果物やお菓子など
  • 故人が好きだった果物や菓子を供えることもあります。こちらも地域や宗派によって違いがございます。


枕勤めと枕経


逝去後、枕飾りが済んだら菩提寺の和尚様に読経のお願いをします。この通夜までに行う僧侶様が読経を行う儀式を「枕勤め」といい、その儀式の中で読まれるお経を「枕経」、または枕元でお経を読経する事を「枕経」といいます。一般的に枕勤めはご親族のみで行われます。





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